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ユーコン(遊動コンパス)とは?



■ ユーコン(遊動コンパス)とは?
遊動コンパスとは、シート磁石を液体の上に浮かべ、自由に動くようにした物です。
一般にコンパスの観測では、指針の変動での観測が行われていますが、
地震の発生を検知できても震源域の特定には多くの経験を必要とします。
コンパスの針が変動すると言う事は、何らかの磁気的変化があるわけですから、
コンパスの支点を外したら震源方向に引かれる、又は反発する方向へ移動するのではないか?
また、何らかの規則性のある挙動をするのではないか?
という仮説に基づいて実験を行っています。

実験機器は、透明の容器に粘性の高い溶液を入れ、シート磁石を浮かべただけの単純な構造です。
粘性が高い溶液ですから、短時間の外部の磁気変化では移動せず、少なくとも数時間
の連続した磁気変化に対し、ゆっくりと動くのが望ましいと考えます。
観測方法としては、変動が非常に遅いので(通常、漂着に数十分〜数時間かかります)
・日中と夜間に分け、1日に2回、定時に移動方向確認後にリセット(容器中央に復帰)
・漂着したら方向確認しリセット
・停止=直下地震検出の可能性を探る
等、観測者のやりやすい環境で、どの方向にどの程度移動したか?どのような動きを
したか?等のデータを取っています。

製作自体は安価で簡単に出来ますが、他にこのような観測の前例がなく、試行錯誤をしながら
製作していますので、これが正解という答えやマニュアルは存在しません。
製作される方はご自分のアイデアでよりよい物を作っていただけたらと思います。
もし、スゴい物が出来た場合、お知らせ頂ければ幸いです。
(基本的な製作方法はページの下の方に記載しています)



■この実験は現在、試作品が使用可能かどうかのテストをしている段階にすぎません。
 現時点で観測データが直接地震予知に結びつく物ではない事をご理解下さい。
 装置に関しても改良を加えながら試している状態ですから、安定した観測環境下での
 データではない事をご理解の上、ご覧下さい。

●震源方位及び距離算出には以下のフリーソフトを使用させていただいております。
(ソフトの制作者氏に感謝!)
 「球面三角法による方位計算(全世界対応) Ver.3.4.46
 Copyright(c)1998 Akira Osanai 1998/9/10」
 http://www.shihei.com/mysoft/houihlp.html
 

▼現時点で解ってきている?事。

・全ての震源に対応という訳ではないが、震源方向に対し、吸引又は反発する動きをする。
 その場合、磁石の極性は地球の南北に向くように回転しながら全体は震源方向に移動又は反発する。
・有感、無感に関係なく反応する。(無感まで検証するとほぼ一致する発生がある)
・震源が至近距離(直下等)の場合、停止または移動速度が極めて低下する場合がある。
 この現象とコンパス変動、電磁波データ等を組み合わせて考えると直下地震を検知出来る可能性がある。
・対応がない場合の漂着方向は概ね一致する。これは設置環境に依存する可能性がある。
 (恐らく常時存在する生活ノイズ、磁気など(状況に応じて設置場所を考慮した方がよい可能性も)
・今の所、移動速度と地震の規模に明確な相関は見られないが、距離との関連がある可能性。
・数日間の連続漂着の後、大きめの地震が発生する可能性がある。
どれも科学的に立証出来ているわけではありません。統計的にみてもまだまだサンプル数が少なく、
肯定、否定に関わらず信頼しうるデータを得るにはまだまだ観測を続ける必要があります。

▼今のところ未解決の、改良が必要な問題点
・溶液の性質が温度によってかなり変化する。
  →もっと安定した溶液はないだろうか?

・遊動体の出来栄えによって誤差が出る可能性。
  →溶液の中を移動する場合に、形がいびつだと曲がってしまう可能性がある。
   容器の端に表面張力で吸い付く時に少しだけ回ってしまい、誤差が出る可能性がある。
   だれが作ってもある程度均一に作れる方法、材料はないだろうか。


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